虎魚の日記

しがない魚 妖怪話と哲学が好き

天に吊られ地に引っ張られ

おいらは虎魚。

虎の魚と書いておこぜと読む。しがない魚だ。

 

姿勢の話。今、そのままの姿勢で腕を肩から延長線上に真っ直ぐに伸ばしてみてほしい。どの方向に向くだろうか。真横に水平に伸びたろうか。背筋が曲がっていては水平にはならない。斜め下を向くだろう。体の真横にも伸びない。どんな時でも姿勢を正しくしておく方がいい。健康面でもちろん良いだろうし、精神面でも善い。

人はいつでも天から吊られている。頭のてっぺんつむじのあたりに糸が付いていて吊り下がっている。坊主じゃなければつむじの髪をちょいと引っ張り上げてみてほしい。すっと胸の空く姿勢になる。その糸に逆らって前に倒れたり後ろに倒れたりあごを突き出してみたりすると体は重くなる。前や後ろに歩くときはそれでもいいが、座っているときや突っ立っているときなど動いていないときは頭のてっぺんの糸に吊られる方が体が軽くていい。最近の人は首の後ろや背骨の途中なんかから吊られている人もいるようだが。

そんで、地の底からは足首を引っ張られているから、あんまり足をあげて歩くと疲れる。行進なんて歩き方があるが足上げて歩くのは辛いもんだから人は頼まれないとやらない。自然じゃないことはやらない方がいい。いつもまっすぐ上と下から引っ張られていることを感じながら居ると正しい姿勢になる。寝るとき以外いつも天から吊られていることを忘れないことだ。

もう一つ、最近では筋肉を鍛えて肥満防止をするそうだが、ケツの穴をぎゅっと締めておけば太らんと思う。ケツの穴を締めておけば腹の底まで自然にぐっと引き締まる。糞をするとき以外は一時も忘れずケツの穴を締めておく。その他はどこにも力はいれないで、柔らかくしていい。これだけで太らんし怪我も減る。

最近では着物を着る人も減ったが、着物に限らず姿勢がいい人は美しいもんだ。天の糸には正しい位置で吊ってもらうのがおすすめだ。

 

虎魚