虎魚の日記

しがない魚 妖怪話と哲学が好き

2023-01-01から1年間の記事一覧

たまには六曜も

おいらは虎魚。 虎の魚と書いておこぜと読む。しがない魚だ。 今日は六曜だ。暦に書いてあるが、知っているだろうか。友引、大安、仏滅はよく聞くだろうが、一応意味を知っておくほうがよい。現代でも晴れの日や祝い事の日取りには使われる。暦には他にも十…

死んでホトケになるか

おいらは虎魚。 虎の魚と書いておこぜと読む。しがない魚だ。 死んだらホトケになるという。しかし、死んで「ホトケ」などと呼ばれることを迷惑に思った者は、昔から多いはずである。ホトケになるとは、遥か西方十万億土の彼方の極楽浄土に行くと言うことだ…

「見るな」というほど見たいものだが

おいらは虎魚。 虎の魚と書いておこぜと読む。しがない魚だ。 見てはならぬもの、と言うと何を思うだろうか。鶴の恩返し鶴。豊玉姫のお産。お守りの中身。竜宮城の玉手箱。たくさんあるが見るなと言われると見てしまうという共通点がある。 「見るな」という…

天に吊られ地に引っ張られ

おいらは虎魚。 虎の魚と書いておこぜと読む。しがない魚だ。 姿勢の話。今、そのままの姿勢で腕を肩から延長線上に真っ直ぐに伸ばしてみてほしい。どの方向に向くだろうか。真横に水平に伸びたろうか。背筋が曲がっていては水平にはならない。斜め下を向く…

見えないものは見えないまま見る

おいらは虎魚。 虎の魚と書いておこぜと読む。しがない魚だ。 今日は四諦。 お釈迦さまが菩提樹の下で悟り、最初に説いた教えが「四諦、八正道」だ。四諦は「四つの真理」と言われる。 苦諦 人生は思うようにならない 集諦 思うようにならない原因は煩悩 滅…

流行りの恋愛

おいらは虎魚。 虎の魚と書いておこぜと読む。しがない魚だ。 恋についてだ。最近では恋愛というのが流行っている。まず相手と出会い、何度か会って人となりを知ってから恋に落ちるんだそうだが、恋愛ってのは明治以降で欧米から輸入されたものだな。 日本で…

一日のはじまり

おいらは虎魚。 虎の魚と書いておこぜと読む。しがない魚だ。 一日はいつ始まるか。夜中の零時か。朝起きてからか。いつからが昨日か。 われわれ日本人の一昼夜は、もとは夜昼という順序になっていて、朝の日の出に始まるのではなく、真夜中の零時を起点とす…

今はだれの時代だろう

おいらは虎魚。 虎の魚と書いておこぜと読む。しがない魚だ。 「非僧非俗」僧にあらず俗にあらず。「僧に似て塵あり、俗に似て髪なし」とも言うか。人に非ざる人であろう。世間からは外され追放されたアウトローのことだ。そのような生き方を志す者がいる。…

彼岸と少々暦の話

おいらは虎魚。 虎の魚と書いておこぜと読む。しがない魚だ。 「暑さ寒さも彼岸まで」夏の暑さも「秋の彼岸」のころにひと段落し、冬の寒さも「春の彼岸」のころが峠で、春秋の彼岸を過ぎればしのぎやすい気候になるって意味だ。春の彼岸は牡丹の花が咲くか…

お山の神さん

おいらは虎魚。 虎の魚と書いておこぜと読む。しがない魚だ。 日本には神道と呼ばれる宗教がある。神道には確たる教祖はなく、確たる教義もない。世界の規範でいう宗教の体をなしていない。世界の原初民族にも通じる自然信仰であり、呪術信仰である。 日本で…

退屈してるうちに

おいらは虎魚。 虎の魚と書いておこぜと読む。しがない魚だ。 ところで人生ってのは、同じことがどれだけ続くのだろう。 朝昼晩、春夏秋冬すべてはぐるぐる回ってるだけなのか。 おいらがすることに初めてのものはなく、おいらが見るものに新しいものはない…

死なねばならない尤もな理由

おいらは虎魚。 虎の魚の書いておこぜと読む。しがない魚だ。 その昔マルセイユ・ケオス島では、 死なねばならぬ尤もな理由を述べることの出来た者には死の当局者から毒人参の汁が与えられたそうな。 死なねばならぬ尤もな理由が何なら認められるのかは知ら…

イのチ

おいらは虎魚。 虎の魚と書いておこぜと読む。しがない魚だ。 おまいさん命とは何か、知っているのだろうか。 おいらにはさっぱりわからんので、書に聞いてみたが「イは息」、「チは勢」つまり「フーっ」と吐く息だ。命とは息のことだ。 死ぬことを息絶える…

男と女、美人不美人

おいらは虎魚。 虎の魚と書いておこぜと読む。しがない魚だ。 おいらの知ってるお経の話をしよう。 あるところに年取った坊さんが居った。そこに時々天女が現れる。 この天女と坊さんはいくつか因縁があるのだが、この日は坊さんが天女に「あなたはどうして…

海で千年、山で千年、里で千年

おいらは虎魚だ。 虎の魚と書いておこぜと読む。 おまいさんは、ヌシとはなにか知っておるか。 ヌシとは長い間同じところに住み続けて並外れて大きくなった生き物のことだ。長い間生き続けるうちにだんだんと霊力を持ちヌシになっていくのだそう。山や川、家…